ゆとり世代のメッセージ

いわゆる「ゆとり世代」の子達は、ネット上で散々な言われようをしてるけど、その本人のメッセージというと、初めて見たような気がする。
今、高校生や大学生になっているゆとりの実態はニュース等を見ればひどいものだと思わせるものがあるが、当の本人達にすれば、それがどれほどひどいのか、もしくはひどいと言われるほどのものなのかなんて分からないだろうし、それに対する責任だって当人たちには無いわけだから、謂れの無い、不当な批判を受けていると感じるのは当然だろう。

ゆとり教育なんていうのを考え付いてそれを実行に移した文科省とその中のエリートお役人たちに責任を追及するべきだろうが、なんかそれも的外れなような気がする。
詰め込み教育を糾弾したのはマスコミじゃなかったか。その報道を煽ったのは視聴率じゃなかったか。視聴率は…それらを僕らが興味をもって視聴したからではなかったか。
政策が悪い、お役人が悪いというのは簡単だしアイコンとして分かりやすいけど、でも彼らの政策の決定・実施は別に民衆の大反対を無理無理通したわけじゃない。僕らはネガティブに賛成したんだ。

まあでもそれはともかくとして。

そういったゆがみひずみの思いが凝縮した「ゆとり世代」は確かに存在しているし、彼ら自身にはなんら責任は無い。
長いスパンで見れば、そういう世代間の能力の上下は定期的に起こっている。それはきっとサイン波みたいなもんだ。実際、バブル世代の会社員の無能さもびっくりするほどだし。たまたまサイン波の下限に当たったようなものなんだ。
だから、国力としてもきっと上下を繰り返してるだろうけど、ゆとりのせいで日本が一方的にだめになるってことは無い。すでにそのゆり戻しは起こり始めてるから、国としては一時的なものだ。

当のゆとり本人たちは…。
意識を強く持つ人たちは、ホワイトカラーエグゼンプションで年収300万の奴隷にならないよう、上昇志向を強めるべきだ。教育は受身だけじゃない。足りない部分は補って、ほかのゆとりをうまく利用する立場に回ればいい。
問題意識を持たない人たちは、この流れに乗ればいい。さすがに殺されることはない。むしろ早く結婚して、多くの子供を作ることを期待されている。
きっと哲学的な人生の目標を持ったり、それを達成したりはできないだろうけど、本人たちのキャパシティの中で幸せと感じられる生活をつかみ取れる可能性は残されている。

失敗したゆとり教育は、ゆとり世代の破壊的な無能さで以て表現され、大騒ぎされる。頭が壊れたゆとりが日本の総レベルダウンを巻き起こしているらしい。さて、ゆとりにできる抵抗あるいは復讐とは何であろうか?