風評被害時のテレビの功罪

台風4号が近づいてきているので久しぶりに休日おうちでテレビを見てました。
そしたら「噂の東京マガジン」(?)で津市のうなぎの話が出てました。
津市ではうなぎの消費が日本一(?)だそうで。しっかり見てませんでしたけど。

一方、中国産のウナギの問題がニュースになってます。
大腸菌が検出されたとか、発がん性物質や抗菌剤が見つかったとか。
google:news:中国産ウナギ
いくら業者が安全宣言を出してもウナギの売り上げは致命的なダメージを受けてることでしょう。

さて、この時期になんでテレビでウナギの(肯定的な)話題が取り上げられるのか。
最初僕はこのテレビを見てて、業者との癒着かなぁとか、来年の北京オリンピックに向けた中国のイメージ戦略かなぁと思い腹立たしく思ってました。
最近の中国のイメージは食品の安全性に直結してるので、「ウナギ→中国→品質悪い」という悪いイメージの連鎖を断ち切るためにも、「ウナギ→美味しい」みたいな単純な図式に変換したいということかなと。
今の時期、マスコミは絶対に中国のことを悪くは書けませんからね。ニュースとしては報道されても、継続的な食品のボイコットやネガティブキャンペーンまでは絶対にやりません。むしろ、ひとつ悪いニュースを流したらふたつのいいニュースをやるくらいだと思います。
日本の産業は中国の安価な人件費にべったり癒着してしまっているので、これを否定するようなことは、その産業をスポンサーとするマスコミには書けないはずです。

まあそんなことを考えて、腑抜けなマスコミに辟易していたんですが、そんなことを思ううちにふと、「いや、それだけでもないんだな」と思い直しました。

津市のウナギ屋さんが番組では紹介されてましたけど、そのお店を経営している人たちはきっとウナギの風評被害で苦しんでいるんじゃないでしょうか。
中国のダンボール肉まんのニュースのあと、横浜中華街の肉まんの売り上げが落ちていると聞きます。
風評被害は、一部の心無い業者の悪行によって、罪の無い真面目に商売をしている人たちにまで被害を及ぼします。
その人たちは救われるべきです。その役割はマスコミしか担えないように思えます。

中国がどうだとか、ウナギの輸入業者がどうだとかももちろん問題ですが、問題の範囲を明確に切り分け、悪いものは悪い、いいものはいいと断じることが大切だと思います。
いいものであれば守られるべきです。真面目に働く良心的なウナギ屋さんはむしろ今、売り上げを伸ばすチャンスだと捉えるべきです。

マスコミは大勢迎合ではなく、使命感を持って良心的なウナギ屋さんを守ってやってください。